September 20, 2005

研究がうまくいかないパターン

Posted at September 20, 2005 04:57 PM in .

強い松尾ぐみのために:研究の指導とステップアップ
http://www.carc.aist.go.jp/~y.matsuo/homepage/matsuogumi_how_to_research.htm

 

 産総研の中の人が書いたらしい。すばらしい。

 情報系の学生は必読。学生からすると、教授の側の視点で自分たちのことを見るというのはなかなかできないもので、それを「ダメなパターン」と「良いパターン」に類型化して示してくれているのはとても良いとおもう。

 また、アイディアについて述べた次の一節が面白かった。

ここまで見てきて気づくのが、アイディアが出るとか出ないなどの要素が、うまくいくパターン、うまくいかないパターンのどちらにも関係ないことである。基本的に、たくさんの知識を得て、思いついたことを実装して、結果をいろんな人と議論すれば、自分自身のアイディアというのは重要ではない。アイディアは思いつくのではなく、そこまで進んでいけば自然に見えてくるものだし、多くの人がいろいろと面白いアイディアを提供してくれる。

 たしかに、良いアイディアというのは知識の絶対量をベースにしないとなかなか出てこないということと、思いついた時点ではしょぼいアイディアでも、ゼミで議論していくうちに洗練されて良いアイディアになって行くことが多々あるということは感じる。「良いアイディアさえ思いつけば業績大漁で一発逆転だ」とか思って努力を怠っていたら駄目ということですね :-p

 この一節も、改めて心に留めておきたい。

理論は現象の抽象化なので、現象を蓄積しないと理論はできない。

 理論寄りの研究ではまた別なのだろうけど、僕、あるいは僕の居る研究室のやっているような実践寄りの研究では、まず現象を蓄積した上で、そこから共通の性質を取り出していくという方法でモデルを作ったほうが上手くいくことが多い。ところが、この「現象の蓄積」というのはどうしても面倒だし、泥臭い仕事になってしまうため、それを飛び越えていきなりモデル作りを始めてしまう傾向がある(ぼく自身にもその傾向はある。良くないことだと思う)。

 それで、ゼミの発表のときなど、学生がそういう風にしていると見ると、教授や助手は「じゃあ、それにはどういう例があるんだ。挙げてみろ」と言う。そこで学生がうまく返せないと、「まず、その問題には具体的にどういうものがあるのか、実際に調べてみなさい」とアドバイスするのですね。研究室に入ったばかりの頃は、現象の蓄積ということにあまり意味があると思えなくて、どうしていちいち面倒くさいことをさせるんだろうと思っていたんだけど。



Trackback

You can ping this entry by using http://windy.ac/MT/mt-tb.cgi/874 .

Comments

Post a comment










Remember personal info?