November 15, 2004
[論文紹介]オントロジ技術の応用に関する一考察(つづき)
Posted at November 15, 2004 08:21 PM in .
で、疑問になるのが世界を概念に切り分けるのを誰がどうやってやるのかだが、それについては以下のような記述がある。
OWLが概念形成に関連する用語を持っているとは言っても、それは人間が概念形成を行い、そのメモなどを作り定式化した後に、そのメモに基づきOWLで記述するというプロセスを取らざるを得ない。概念形成のメモをOWLで記述して実装し、それをテストするといった作業は、XMLやRDF、さらにOWLの環境に習熟した専門家を要求し、その作業量も膨大なものとなりそうである。そうなるとオントロジの作成コストも膨大になり、一般的な普及はかなり難しいことになる。
この問題を解決するには、かつてのエキスパートシステムのように、「シェル」と呼ばれたテンプレート埋め込み形式のユーザインタフェースツールを提供し、そのツールからOWLを出力し、オントロジを開発していく方法が考えられる。しかしそのためにはオントロジの事例などがそろい、その環境を評価できるようになっておかねばならないであろう。JAVAの開発で行われつつある、UMLとコードとの両方向変換などの手法が取り入れられるならば、一つの道が開かれる可能性はある。OMGのMDAがこのアプローチで、XMLを含む各種システムを開発する手法を検討しているので、MDAの枠組みにOWLを統合するアプローチがあっても良いのかも知れない。
OWLは最終ドラフトとして扱われている模様であるが、OWL Fullの扱いを見ても分かるとおり必ずしも完成されたものではない。先ずThingとNothingに基づきトップダウン的に一元的に世界を定義するのは無理がある。一世紀前にラッセルやヴィトゲンシュタインが試みた世界に近い発想だが、ゲーデルの不完全制定理の壁が存在する。むしろ個別分野におけるボトムアップ的なアプローチが現実的であろう。まあThingとNothingは、オントロジに執着する関係者の趣味と考えたい。
ぼくはアホの子なのでこれを読んでもいまいち良く分からないのだが、「先ずThingとNothingに基づきトップダウン的に一元的に世界を定義するのは無理がある」のあたりのくだりは興味深い。世界をどうやって切り分けるかというのはおそらく多分に主観の入り込みうる部分で、それをどうするのか、たとえば唯一絶対の世界の切り分け方をつくってそれを規格化してしまうのかとか、そのあたりの解決策については論文中に示されていない。もうちょい突っ込んで調べてみたい部分である。
オントロジ技術の応用に関する一考察
http://www.ipsj.or.jp/members/SIGNotes/Jpn/25/2003/041/article001.html
Trackback
You can ping this entry by using http://windy.ac/MT/mt-tb.cgi/638 .
