August 31, 2004

『情報セキュリティ人材育成 公開講座』、四日目&五日目。

オーノー。講義を受けてから3日も空いちゃった。こういうのって、その日のうちに書いておかないと、内容を忘れるし感動も薄れちゃって駄目ぽ。

四日目。前日までとうってかわって、この日は技術的な話題が中心。面白かったのは小柳和子氏(情報セキュリティ大学院大学教授)の『セキュアOSの動向』。うにくす系OSのラフでおおざっぱな権限管理の仕組みを改善し、より詳細かつ厳密な権限管理の機構を実装したOSをセキュアOSと総称する。まずセキュアOSの現状を概説し、続いてその実例として、"SE Linux"というセキュアなlinuxの仕組みを具体的に見ていく、という内容。プレゼントしても良くまとまっており、面白かった。

セキュアOSにもいろいろあるが、紹介されたSE Linuxは既存のりなくすへのアドイン的な代物であるらしく、それまで使っていたプログラムをリコンパイルなしで使えるなど、意外と容易に導入できるようだ。また、詳細なアクセス制御のルールを詳細に指定していく必要があり、設定が死ぬほど難しいのだとか。ふうん。勉強になります。

千葉雄司氏(日立製作所システム開発研究所)の『Secure Programming』も良かった。既に知っている内容が中心ではあったが。

この日感じたことだが、公開講座ということもあって、受講者の階層が雑多で統一されておらず、その知識レベルには非常にばらつきが大きい。よって、どうしても基礎的な知識から触れて行かなくてはならず、その分野についてよく知っている受講者だと、物足りなさを感じる部分があるのではないかと思われた。たとえばネットワークセキュリティを扱う講義では、「ポートとは何か」というところから話を始めるわけだ。たった90分の講義で、そこからスタートしていたのでは、どうしても深いところまで行けないということになる。公開講座というスタイルを考えると、まあ、これで良いのだとおもうが。

 

五日目。暗号や認証の話は頭を使わされるので疲れる。この日おもしろかったのは板倉征男氏(情報セキュリティ大学院大学教授)の『生体認証システムとDNA個人識別の将来性』。バイオメトリック認証はいま盛んに実用化が試みられていて熱い分野である。意外だったのは、指紋にしろ、虹彩にしろ、各種認証手法の識別精度の低さ。たとえば指紋による認証の場合だと、識別制度はたったの1/500,000しかないとのこと。世界におれと指紋の一致するひとが1万人はいるということになるわけで、そんなに低いのかとびっくりした。顔型だとたったの1/1,000。調布市だけでも200人もいることになるぞ。パターンマッチングの不安定性がその原因であるらしい。大変だな。

で、DNA認証である。DNAの場合、最初からデジタルな情報として扱える(AGCTの塩基で構成されてるから)こともあり、他の手法を圧倒する高い識別制度を実現することが可能だ。わーい。しかし、現在の技術では照合に数時間かかり、コストも高く、まだまだ研究段階であるとのこと。また、DNAの利用については倫理的な問題も大きい。こっちも大変だなあ。

 

……というわけで、以上で公開講座の全日程が終了。最後に、このような優れた講座を受講する機会をくださった中央大学に、改めて感謝を表します。



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