April 20, 2004
スティグリッツたん、萌え。
早稲田大学でスティグリッツたんが講義をするという。外部の人間にも公開され、しかもタダで聴けるという。こんなすばらしい話はない。僕はミーハーなので一も二もなくこの話に飛びついた。待ってろよ、スティグリッツたん! というわけで遠路はるばる高田馬場まで出掛けてきた。今日はそのお話など。
コンピュータリテラシのTA稼業をやっつけて、学校から新宿経由で高田馬場へ。駅を降りて、新目白通りをのこのこのこのことひたすら歩く。なんか30分くらい歩いていたような気がする。「早稲田ってこんなに駅から遠かったんだー」とか思う。で、会場につくと満席との看板が出ている。ファック。ぐうたら学食で飯など食わずにさっさと出発しとけばよかった! と痛烈に悔やむも、係員のおじさんの説明によると、大隈会館とかいうところで同時中継がされるらしい。良かったよかった。人の流れになんとなく付いていくとめでたく大隈会館に到着。こちらは半分くらいの入りで、余裕で席を確保する。ところで、大隈会館には「同時通訳あり」の会場と「同時通訳なし」の会場が用意されていたんだが、まわりのやつら(たぶん大部分は早稲田の学生)はがんがん「同時通訳なし」のほうへ入っていく。すげ。語学リテラシ高いなーとおもう。
さて、スティグリッツたんの講義。タイトルはメモるの忘れたので正確ではないが、「グローバル化と国際金融機関の役割」みたいな感じ。最初にお付きの人がスティグリッツたんの経歴や業績について簡単に説明して、本人にバトンタッチ。ついにスティグリッツたんの精悍なお顔がスクリーンに映し出される。
スティグリッツたん:
「グローバル化とは、国家間の統合が密になり、経済的にも深い結びつきを持つようになることを云います。かつてグローバル化の概念が世に現れたとき、人々はこれを熱狂的に歓迎したものです。グローバル化によって世界経済の飛躍がもたらされ、みなが幸せになれると思われたからです。しかし、今はどうでしょう。もはや、人々は昔のような思いを持ってはいません。人々がグローバル化という言葉に対して感じるのは、不満、そして失望です。なぜこのようなことになってしまったのでしょう」
前置きはこんな感じ。そしてスティグリッツたんは、人々の不満の原因をこう説明する。
スティグリッツたん:
「グローバル化の受益者は、そしてその反対に損害を被ったのは誰でしょう。その答えはあまりにも明瞭です。つまり、前者はアメリカや欧州、後者はアフリカや南米の国々です。アメリカや欧州の発展と対照的に、アフリカや南米の国々は停滞とリセッションに悩まされてきました。90年代を通じて、これらの国々の成長率はむしろマイナスであったのです。全体的な数字としては、数%の落ち込みを示しています。アルゼンチンのように、経済の崩壊を招いた国もあります」
つまり、グローバル化によって「みなが幸せに」なるはずだったのに、実際には一部の国だけがハッピーになって、後進国はちっともその恩恵に浴すことができていないと。そこんとこが問題だと考えておられるわけだ。このことはスティグリッツたんの提唱する「公共経済学」に深く結びついており、ミクロ・マクロの両面で、公共経済学の取り扱う、そして解決を目指す問題の一つとなっている。
続いて、スティグリッツたんは東アジアについても言及する。
スティグリッツたん:
「ところで、東アジアの工業諸国はどちらに該当するのでしょうか。私には明らかに受益者の側であるように思えます。では、これらの国々が経済的な成功を得られたのはなぜでしょう。私の考えでは、それは、これらの国々が、自分たちの市場を守ったから……つまり、市場原理主義に耳を貸さなかったからです。そしてもう一つ。後進国と先進国との間にあるもっともエッセンシャルで乗り越えがたい溝は、『知識のギャップ』です。『知識のギャップ』は、他者から与えられて乗り越えることもできず、独りでに解消するものでもありません。政府がこれを埋める役割をしなければならないのです」
『市場原理主義』とは、市場のメカニズム(いわゆる『神の見えざる手』)を全面的に信頼し、何でも市場に任せればよいとする考え方のこと。そして、ここで言う「市場原理主義に耳を貸さなかった」とは、国家の経済が成長して行く時期に、関税や参入障壁を設けることによって、未成熟で弱っちい国内の産業を保護したことを指している。かつての日本がまさにそうだったし、スティグリッツたんの話しぶりに依ると、近年の韓国なども同じような政策を採っているっぽい(このあたりはケアしてないんでよくわかんないけど)。
で、このあたりから、話題はIMFに移る。スティグリッツたんとIMFは、なんつーか因縁の仲である。スティグリッツたんはかつて世界銀行の「主任エコノミスト」という要職に在った。しかし、IMFに対してあまりにも苛烈な批判を繰り返したために、持て余した世界銀行はスティグリッツたんを馘首にしてしまったのだ。実際、スティグリッツたんのIMF評はとても厳しいものだった。
長くなってきたんでエントリを分ける。
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Comments
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おお。3位だ。すげー。
つーか、単に「スティグリッツ」で検索しても、7,320 件中30位くらいにいるのな。blogだからだろうか。
