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読んだ。
前作『若者はなぜ3年で辞めるのか』の続編。前作では、状況分析ばかりしていて、じゃあ若者たちはどうすればよいのかというのが提示されていなかった。本作はそれを補う内容となっており、著者の言う「平成的価値観」を体現した若者たちを取り上げて、その生き方や考え方を紹介している。話題を広げすぎてとっちらかってる感があるが、なかなか面白かった。
基本的な内容は前作と同じ。曰く。新卒で大企業に入って定年まで、というのは高度成長期だから成り立っていたのであって、これからはもう通用しないよ。会社にキャリアを支配され、無能な中高年管理職を養うため、滅私奉公で転勤地獄やサービス残業に堪え忍ぶというのはもう止めたほうがいいよ。云々。前作にも増して、若者を諭し導こうという意志を感じた。最後のほうなどほとんどアジテーションのような調子で書かれている。筆者の主張には概ね首肯するし、実際、僕が日立製作所を辞めたのは前作を読んだことによる影響も大きい。ただ、アメリカ的な競争社会を肯定しすぎているという印象も受けた。
辞めておいて言うのもなんだが、日本の伝統的大企業というのはあれはあれで良いものだ。「会社の歯車」という表現は否定的に使われるが、そんなに悪いことじゃない。何も考えず、与えられた場所でくるくる回っていればいいなら楽じゃないか。それでほどほどの給料を貰えて、子会社に飛ばされることはあっても首にはなかなかならなくて、企業年金や退職金もあるのだ。確かに今の中高年ほどの待遇は得られないかもしれないが、それでも腐っても大企業だから、そんなに悪くはないだろう。転勤地獄やサービス残業だって我慢できないことはない。「マイコミ、2007年度 就職戦線総括発表 - 学生の大手&安定志向顕著に」のような記事が出るのも、そうやって考える学生がけっこういるってことだろう。
オランダのようなフェアな労働環境が理想ではあると思うが、そうなるには長い時間が掛かるだろう。与えられた状況の中で、自分の性質を考慮しながら最善の選択をしようとして、ある者は競争的な外資金融やコンサルファームを選び、ある者はできるだけ安定した日本的大企業を選ぶのだろう。学生は社会人が思うよりも賢く、世の中をよく見ているものだ。
前作と併せて、現状分析として優れた本だと思う。日本中の学生に(特に就職活動を控えた学生に)読んで欲しいとおもう。

